短歌観賞
今日の歌ごよみ

よい人とよい街にゆきよい花を育ててしんしん泣いたりしてね
東直子
毎日の生活を機械的にこなしてゆく時に、
ふいに「こんなはずではなかった」と思うことがある。
もっと明るく幸福な未来を望んでいたはずなのに……。
この歌に描かれているのは、幸福な未来像だが、それを望む歌ではない。
もしかしたら幸福な未来にいたりしてね(でもそうではないよね)という現状の肯定。
諦めとはちがう、強固な意思ともちがう、風とおしのよいあかるい志しのような歌。
作者は一九六三年生まれ。
(嵯峨直樹)
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